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2006.07.23

[CASe]後順位譲渡担保権者の地位判例

最一小判平18.7.20平成17(受)948

要旨
 1 動産譲渡担保が同一の目的物に重複して設定されている場合,後順位譲渡担保権者は私的実行をすることができない。
 2 集合動産譲渡担保の設定者が,目的動産につき通常の営業の範囲を超える売却処分をした場合,当該譲渡担保の目的である集合物から離脱したと認められない限り,当該処分の相手方は目的物の所有権を承継取得することはできない。

 重要部分引用
 「本件物件1については,本件契約1に先立って,A,B及びCのために本件各譲渡担保が設定され,占有改定の方法による引渡しをもってその対抗要件が具備されているのであるから,これに劣後する譲渡担保が,被上告人のために重複して設定されたということになる。このように重複して譲渡担保を設定すること自体は許されるとしても,劣後する譲渡担保に独自の私的実行の権限を認めた場合,配当の手続が整備されている民事執行法上の執行手続が行われる場合と異なり,先行する譲渡担保権者には優先権を行使する機会が与えられず,その譲渡担保は有名無実のものとなりかねない。このような結果を招来する後順位譲渡担保権者による私的実行を認めることはできないというべきである。また,被上告人は,本件契約1により本件物件1につき占有改定による引渡しを受けた旨の主張をするにすぎないところ,占有改定による引渡しを受けたにとどまる者に即時取得を認めることはできないから,被上告人が即時取得により完全な譲渡担保を取得したということもできない。」

 「対抗要件を備えた集合動産譲渡担保の設定者がその目的物である動産につき通常の営業の範囲を超える売却処分をした場合,当該処分は上記権限に基づかないものである以上,譲渡担保契約に定められた保管場所から搬出されるなどして当該譲渡担保の目的である集合物から離脱したと認められる場合でない限り,当該処分の相手方は目的物の所有権を承継取得することはできないというべきである。」

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